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見分け方ガイド/基礎知識

偽物だと思ったら正常だった3つのケース【品番が2つ・製造月と選手・年代とデザイン】

基礎知識2026.08.04約6分で読めます

「品番が2つ書いてある」「製造月より後に加入した選手の名前が入っている」——不安になりますが、どれも正規品で普通に起こります。実例つきで、なぜそうなるのかを説明します。

偽物を疑う前に、確認してほしいこと

ユニフォームの真贋を自分で調べていると、「これはおかしいのでは」と感じる点がいくつも出てきます。ところがその多くは、正規品の仕様を知らないだけ、というのが実際のところです。

この記事では、実際に問い合わせの多い3つのケースを取り上げます。いずれもそれ自体は偽物の根拠にならないものです。

1. 品番ラベルに英数字コードが2つ並んでいる

adidasの品番ラベルを見ると、コードが2つ印字されていることがあります。実例です。

04/20 / FM4735 / AV1007 ——この3行のうち、いちばん上の「04/20」は製造年月(2020年4月)。次の「FM4735」がそのシャツの品番で、これはレアル・マドリードの2020/21ホームを指します。では3行目の「AV1007」は何なのか。

こちらはベースになったテンプレートの番号です。adidasはチーム用のシャツを共通のテンプレートから作るため、「素体の番号」と「そのクラブ仕様に仕上げた番号」の2つが並びます。実際にAV1007で検索すると、マンチェスター・ユナイテッドのショーツやトラックジャケットなど、まったく別の商品が出てきます。

ここが誤解のもとです。片方の番号で検索して別のクラブの商品が出てきても、それは偽物の証拠ではありません。 照合に使うべきなのは、上側のシャツ本体の品番のほうです。

補足:番号の頭2文字は年代の目安になるが、テンプレート側は当てにならない

adidasの品番は、頭2文字がおおよその年代に対応しています。「AV」は2017〜2018年頃、「FM」は2020年頃、といった具合です。

先ほどの例では、2020年製のシャツに2018年世代の記号が並んでいることになります。ここだけ見ると矛盾に見えますが、テンプレートは導入年のまま使い続けられるため、これが正常な姿です。テンプレート側の番号から年代を推定してはいけません。

2. 製造年月より後に加入した選手の名前が入っている

実際にあった相談です。「2002年のレアル・マドリードのシャツで、タグの製造年月は07/02(2002年7月)。でも入っている名前はロナウド。ロナウドの加入は8月末なので、7月に作られたシャツにロナウドの名前が入っているのはおかしいのでは」というものでした。

結論から言うと、これはまったく問題ありません。タグの製造年月は「無地のシャツが作られた月」であって、「名前が入れられた月」ではないからです。

市販のユニフォームは、無地の状態で工場から出荷されます。名前と番号は、売る側が後から圧着します。つまり順番はこうです。2002年7月に無地のシャツが製造される(8月の開幕に間に合わせるため)→ 8月末にロナウドが加入 → 9月以降、ショップが在庫していた無地のシャツにロナウドを入れて売る。

むしろ7月製造は、2002-03シーズンのシャツとしてごく自然です。開幕前に作られていないほうが不自然でしょう。この誤解は「製造年月=完成品の日付」と考えてしまうところから生まれます。

ただし、この見方には限界もあります

タグの製造年月から分かるのは、あくまでシャツ本体のことだけです。ネーム自体が当時のものかどうかは、このタグからは判断できません。 後年に別の書体で入れられたものかもしれません。

ネームを確認したい場合は、その年のクラブが使っていた書体か、圧着の方法が年代に合っているか(当時はフロックやビニール)、袖のリーグやカップ戦のワッペンの仕様が合っているか、といった別の箇所を見ることになります。

3. デザインは昔なのに、タグは現代のもの

「見た目は90年代なのに、タグや品番が明らかに最近のもの」というケースです。これも偽物とは限りません。可能性は3つあります。

ひとつは公式復刻。当時のデザインを現代に作り直した正規ライセンス品で、現代のタグが付くのが正しい姿です。偽物ではありませんが、当時物でもありません。

もうひとつがレトロ意匠の現行モデルです。近年のサードユニフォームなどでは、昔のエンブレムやロゴをデザインとして採り入れた「今年の新作」が珍しくありません。これは復刻ですらなく、ただの現行モデルです。デザインが古く見えるのに現行のタグが付いているのは、何の矛盾でもありません。

3つめが本当の偽物です。見分けるポイントは、デザインではなく本体の作りを見ることです。タグの様式・生地の質感・襟や袖の作り・洗濯タグの書式が現行のものなら、意匠が古くても現行品として判断していい、ということになります。

まとめ:単独で白黒をつけない

3つに共通するのは、「1か所の違和感だけで結論を出さない」ということです。真贋の判断で意味を持つのは、複数のタグの情報が互いに矛盾していないかどうかで、1つの見慣れない特徴ではありません。

そして、逆方向にも同じことが言えます。品番が正しく、書式も合っていて、製造年月にも矛盾がない——それでも正規品の証明にはなりません。精巧な偽物は正しい情報をそのまま刷ってくるからです。

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参考・出典

  • kickitshirts — How to Read the Tag on an Adidas Football Shirt
  • KitTicker — How to Authenticate Adidas Football Kits
  • kitcodes — How to Authenticate adidas Kits

本記事は公開情報に基づく一般的な解説であり、特定の商品の真贋を保証するものではありません。掲載写真は説明用の仮画像です。

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